日本妊娠高血圧学会|Japan Society for the Study of Hypertension in Pregnancy

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理事長挨拶

理事長ご挨拶

理事長 関 博之

理事長 関 博之

2018年4月1日より、本学会の理事長を拝命いたしました。どうかよろしくお願い申し上げます。

真柄先生—加来先生のpolypeptide、polysaccharideの大論争の後、しばらくの間、妊娠中毒症に関する研究は停滞しました。しかし1975年以降、再び妊娠中毒症の食事管理、薬物管理、治療などについての発表が出てくるようになりました。ところが、定義・分類などの基本的な事項が十分整備されていなかったので、学会では議論がかみ合わなかったようです。同じ頃、日本産科婦人科学会(以下学会)の妊婦栄養問題委員会で妊娠中毒症の栄養管理指針を作ることになりましたが、やはり定義・分類などの不備により、管理指針の作成に苦労したことが問題となりました。このため、学会は妊娠中毒症研究を再び活発化し、その病態の解明が必要であることを認識し、従来の妊娠中毒症委員会とは別の形の妊娠中毒症問題委員会(鈴木雅洲委員長)を設立しました。さらに、分類、臨床管理、治療に関する問題を考えてゆくためには学問的な議論を行う場が必要ということで、故鈴木雅洲先生と故古谷 博先生を研究会の世話人として第1回日本妊娠中毒症研究会が1980年に東京(順天堂大学有山登記念館)で開催されました。これが、本学会の設立の経緯です。

私は、当時卒後2年目の研修医でしたが、極めて印象深い妊娠中毒症患者を研修1年目で受け持ったこと、また研修病院から歩いて15分で会場に行けた幸運もあり、第1回の研究会に参加できました。残念ながら、研究会の内容の詳細は記憶しておりませんが、先輩・後輩の垣根を越えて自由闊達に議論ができ、毎年本研究会に参加したいと思ったことを記憶しております。その後、私は本学会に参加し続けることになりました。私が、妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群の研究を継続でき、曲がりなりにも一人前の臨床研究医になれたのは、本研究会・学会のおかげと思っております。毎年、研究を重ねた施設の先生方と、妊娠中毒症・妊娠高血圧症候群に関して、熱くdiscussionすることは心地よい緊張感を伴う楽しさでした。このような想いを若い先生方にも是非経験して頂きたいと心から思っております。

本学会は、一時若い先生方の参加がやや減少した時期がありましたが、この4〜5年で再び若い先生方の参加が増え、先輩・後輩の垣根を越えて、自由闊達に議論される場に戻りつつあります。この雰囲気をさらに高めてゆきたいと考えております。妊娠高血圧症候群は、病因・病態論はかなり明らかになりつつありますが、未だ原因の詳細は不明で、根治療法も確立されておりません。極めて興味深い疾患であり、研究して、議論するには格好の疾患です。是非、若い先生方が発表・議論を通して成長され、妊娠高血圧症候群を研究する仲間と交友を深める場、『学術的な議論を行う場』として本学会がさらに発展してゆくよう、役員の先生方、会員の先生方のご協力を頂き、努めてまいりたいと存じます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。